2020年10月14日2時、Appleの新製品発表会でiPhone 12シリーズが発表されました。例年なら9月の中頃に発表会が開催されていますが、今年は新型コロナウィルスの影響で約1カ月ほど遅れての開催となりました。
今回は4機種、「iPhone 12」「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Max」が発表された訳ですが、ボクが気になるのはカメラ性能がアップした「iPhone 12 Pro Max」ですね。小型化されたiPhone 12 miniが気になる人も多いかと思いますが、ボクとしては小さいスマートフォンはあまり好きではないので、今回は割愛させていただきます。
それでは早速、iPhone 12 Pro Maxについてチェックしていきましょ〜!
端末・画面サイズはiPhone 11 Pro Maxよりも大型化

iPhone 11 Pro Maxが6.5インチだったのに対して、iPhone 12 Pro Maxは6.7インチと0.2インチ画面サイズが大きなっています。それに伴い、端末自体の大きさも若干ではありますがサイズアップ。
ただ、「ベゼルを削ってスクリーンを広く。」との謳い文句にもあるように、端末サイズが大きくなった影響はそこまで感じられないのではないかと思います。
機種 | 高さ[mm] | 幅[mm] | 厚さ[mm] | 重量[g] |
---|---|---|---|---|
iPhone 12 Pro Max | 160.8 | 78.1 | 7.4 | 226 |
iPhone 11 Pro Max | 158.0 | 77.8 | 8.1 | 226 |
画面についてはどちらもSuper Retina XDRディスプレイを採用しています。
iPhone 12シリーズで5Gに対応!
Androidでは5G対応スマホが続々と登場していましたが、ここにきてようやくiPhoneも5Gに対応することとなりました。これで日本でも5Gの対応が進んでくれることを願います。
ボクが住んでいるところはど田舎なので、5Gの恩恵を受けられるようになるには、数年先のことになりそうです(´・ω・`)
そうなると、今このタイミングで無理に買い替えなくてもいいかなぁという気持ちになるんですよね。悩ましいところです。
ミリ波対応するのは米国発売モデルのみ
今回発表されたiPhone 12・iPhone 12 mini・iPhone 12 Pro・iPhone 12 Pro Maxは全てが次世代モバイル通信規格である5Gに対応しています。
5Gに使われる電波の周波数帯には、比較的電波は届きやすいものの通信速度はそこまで向上しない「Sub6」と、電波が届きにくいものの通信速度は速い「ミリ波」の2種類があります。
iPhone 12シリーズでミリ波に対応するのは、米国で発売されるiPhone 12シリーズのみです。
この違いは実は外観にも現れていて、米国モデルでは側面のサイドボタンの下には同じような突起があるのが確認できます。細かいところではありますが、5G対応と言ってもハードウェア的には大きな変更が必要になるようですね。今後発売されるiPhoneでも、5Gの普及に伴ってこのような外観上の違いが出てくるのかもしれません。
スマートデータモードでバッテリー消費を節約
常時5Gに接続しているものと思っていたのですが、スマートデータモードなる機能が搭載されているようです。
バックグラウンドでデータを更新しているような場合には、5G接続ではなく自動的にLTE接続になってバッテリーの消費を節約。5Gで高速に大容量データをダウンロードしたい時には、5Gに切り替わって接続。
5Gを使っているかどうかはバッテリー消費に大きく寄与するようですから、こういった変更を自動でしてくれるのは嬉しいですね。もっとも、この機能については常時5G接続も選べるようなので、とにかくスピード!スピード!速さ最優先の人も大丈夫です。
業界初5nmプロセスのA14 Bionic搭載!
iPad Airで先にお披露目となりましたが、A14 BionicチップがiPhone 12シリーズにも搭載されます。より画面サイズの大きいiPad Airでも十分過ぎるほどの性能を発揮するA14 Bionicチップですから、iPhone 12シリーズではそれ以上に高度な処理が出来ることでしょう。
iPhone 12 Pro Maxのカメラ性能はチップ性能との合わせ技で大幅に向上
iPhone 12 Proシリーズのカメラの基本性能について
機種 | 超広角カメラ 焦点距離[mm] | 広角カメラ 焦点距離[mm] | 望遠カメラ 焦点距離[mm] | 光学ズームレンジ |
---|---|---|---|---|
iPhone 12 Pro | 13 | 26 | 52 | 13 – 52mm(4倍) |
iPhone 12 pro Max | 13 | 26 | 65 | 13 – 65mm(5倍) |
超広角カメラ・広角カメラ・望遠カメラの基本的な焦点距離については、上の表の通りです。ただ、iPhoneでの撮影では、それぞれの画角から縮小・拡大(デジタルズーム)して、シームレスにズーム倍率が切り替わるようになっています。光学式ズームが搭載されている訳ではないので、注意が必要です。
26mmが×1、13mmが×0.5、52mmが×2と画面に表示されていて、画面のピンチイン・ピンチアウトでズーム倍率が連続的に変わります。
手元のiPhone 11 Proでズームインしたりズームアウトしたりしてチェックしてみましたが、どのタイミングで超広角・広角・望遠カメラを切り替えているのかは今ひとつ分かりませんでした。明るさの切り替わりや画角のズレから、超広角カメラが13 – 26mm、広角カメラが26 – 42mm、望遠カメラが42mm – 52mmかなと思いましたが、詳しくは分かりません。
iPhone 12 Proシリーズのレンズ絞り値については、以下の表の通りです。
機種 | 超広角カメラ | 広角カメラ | 望遠カメラ |
---|---|---|---|
iPhone 12 Pro | f2.4 | f1.6 | f2.0 |
iPhone 12 Pro max | f2.4 | f1.6 | f2.2 |
f2前後と明るいレンズが使われています。ズームで明るさが変わるようなタイプではないと思われますが公式ページに表記が無いので分かりませんね。
そのほかのスペックについては以下の通りです。
- LiDARスキャナを活用したナイトモードポートレート
- 進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
- 6つのエフェクトを備えたポートレートライティング
- デュアル光学式手ぶれ補正(広角・望遠カメラ)
- センサーシフト式光学式手ぶれ補正(iPhone 12 Pro Max:広角カメラ)
- より明るいTrue Toneフラッシュとスローシンクロ
- パノラマ(最大63MP)
- 100% Focu Pixels(広角カメラ)
- ナイトモード(超広角・広角カメラ)
- Deep Fusion(超広角・広角・望遠カメラ)
- スマートHDR 3
- Apple Pro RAW
以下ではボクが気になったポイントについてピックアップして紹介していこうと思います。
広角カメラのセンサーサイズがアップ!レンズもより明るく!
まずは広角カメラから!
広角カメラのセンサーサイズが47%大きくなったとのことで、より暗所に強いカメラになりました。センサーサイズの大きさとピクセルサイズは、暗い場所で撮影した際のノイズの乗り方に直結する大事な要素です。
広角カメラのピクセルサイズも、iPhone 12 Proの1.4μmに比べて、iPhone 12 Pro Maxは1.7μmにサイズアップしています。
また、レンズ自体の明るさも大切なポイント。絞り値の小さいレンズの方が、より多くの光を集めることができます。iPhone 12 Proシリーズでは、広角カメラはf1.6の絞り値を採用。35m版換算で26mm相当の焦点距離ということを考えると、かなりお高いレンズが手元にあるということになります。
こういう要素を、よく分かんないけどiPhoneだとめっちゃ綺麗に撮れる、みたいにマッシュアップしているのがAppleの凄いところかなと思いますw カメラメーカーさんは、もうちょっと宣伝上手にならないと玄人向けの高くてデカいモノしか売れなくなっちゃいますね。
iPhone 12 Pro Maxの望遠カメラは焦点距離65mmに!
iPhone 11 Pro Maxでは望遠カメラは35mm版換算で焦点距離52mmのものでしたが、iPhone 12 Pro Maxでは65mmになりました。レンズ構成も7枚に。
52mmと聞くとカメラ好きとしては標準レンズじゃんと思ってしまいますが、65mmだと望遠レンズ(中望遠レンズ)と言っても差し支えないレベルになりましたね。駅でサッと電車を撮りたい時にちょうどいい焦点距離になりましたw
絞り値のf2.2なので、十分な明るさ。昼間の好天時ならシャッタースピードも上がるでしょうから、走行する電車をブレずに止めて撮ることも出来そうです。
センサーシフト式OIS(光学式手ぶれ補正)搭載!
これまでも光学式手ぶれ補正は搭載されていましたが、iPhone 12 Proではセンサーシフト式の光学式手ぶれ補正を搭載。重たいレンズを動かす従来の光学式手ぶれ補正に比べて5倍の演算回数で、手ぶれ補正性能がより向上したようです。手ぶれ補正の段数が書いてあればよかったのですが、カメラ好きでもない人にはわからない説明になってしまうでしょうから、そこまで求めてはいけませんねw
フルサイズカメラだと、センサーも大きて発熱やらスペースやらの問題もありましたが、スマートフォンレベルではそこまでの問題はないのかな?ちょっと気になるところですね。
スマートHDR 3で明暗差のある場所でもバッチリ撮れる!
高性能チップと完璧に連携しているので、リアルタイム HDR処理もお手の物。これにはもう最新のミラーレス一眼もお手上げって感じですね。明暗差がはっきりとした場所で写真を撮ると、背景の空が白飛びしたり日陰の部分は黒つぶれしたりします。庭の紅葉が綺麗なお寺で内装と紅葉を同時に撮ろうとした時なんかが近々ありそうなシチュエーションでしょうか。
そんな時でも、賢いiPhoneくんは自動でいい感じに処理してくれます。
この自動でいい感じにが大事なんです。ミラーレスカメラでHDR処理というと、複数枚の写真を撮影して、それからカメラに搭載されているチップが処理をして、とやたらと時間のかかる面倒な撮影になるんですよね。搭載されていてもほとんど使われていない機能ではないかと思います(´・ω・`)
これも、なんかiPhoneだとめっちゃ綺麗に撮れるポイントの一つですねw
Dolby Visionで4K 60fps HDRビデオ撮影ができる
続いてはビデオのお話。iPhone 12 Proシリーズでは動画撮影の性能が8ビットHDRから10ビットHDRへと大進化を遂げました。これによって、より見たままに近いビデオを撮ることが可能になるようですね。
4K 60fpsで10ビットのHDRビデオ撮影が出来るんだから、運動会みたいな超望遠が必要なシーンやボケ味を活かした撮影以外では、動画はiPhoneにお任せになりそうですw
電車の動画をiPhoneで撮ることが増えましたが、本当によく撮れるのでビックリします。ビデオカメラを下手に買う必要なんてないですね。ただ、列車通過時の風切音だけは気になるので、別途マイクを購入することをお勧めします(`・ω・´)ゝ
この風切音さえクリアできれば、iPhoneでも十分な鉄道動画が撮れると思いますよ♪
ボクはミラーレス一眼で動画を撮影していた時期もありますが、向かってくる電車を撮影するのにはセンサーサイズが大きい分、ピントの合う範囲が狭くていまひとつだったんですよね。ボケボケの列車が遠くからやってきて、一瞬だけピントが合って、あとはまたボケて過ぎ去っていく鉄道動画って、面白くないじゃないですか。
iPhoneだとセンサーサイズも大きくないので、ある程度広範囲にピントが合ったパンフォーカス気味の動画が撮れるので重宝しています。
EOS 5DやGH-3あたりで盛り上がったイチガン動画も、スマートフォンのチップ性能・AI処理性能向上に伴ってだんだん下火になっていく、そんな未来もあるのかもしれません。
MagSafeアクセサリは便利そう
背面に磁石がついていて、アクセサリをピタッと付けられるみたいですね。クリアケースはちょっとダサい気がするので、買うならシリコーンケースかなぁ。レザーウォレットも気になります。
公式ページだとスッとケースに入るようなアニメーションになっていますが、ボタンのあたりの処理がどうなっているのか気になりますね。
MagSafe充電器はApple Watchの充電器みたいに使えそうで、これが一番便利そうですね。寝る前のベッドサイドに置いておけば、ピタッとついて充電も簡単。いちいちLightningケーブルをブスッと差し込む必要もありません。Lightningケーブル刺したと思ったら、ケースと本体の隙間だったっていうヤラカシ案件が年に何度かありますw
MagSafeでは15Wのワイヤレス充電ができるようなので、ケーブルを接続して18W充電器で充電するのとそんなに差がないのかもと思ったりしています。家で充電するくらいなら、不満のない充電速度になるのではないでしょうか。
iPhone 12 Proのガッカリポイント
Lightningケーブル続投。
「iPhoneだけだよ!」
なんていうギズモード編集部の方の声が頭に浮かびます。いやーほんと、USB-C to USB-Cに早くなって欲しいもんです。iPhoneの充電のためだけに、外出時にLightningケーブルを持ち運ばなくてはいけないのが、面倒で仕方ありません(´・ω・`)
ただ、MagSafeなんてものが出てきたので、次のiPhoneはケーブル充電なしで非接触充電のみになるのかなぁなんて思っちゃいますね。
まとめ
以上、カメラやビデオ撮影に注目してiPhone 12 Proシリーズについてチェックしてみました。Lightningケーブル続投以外に、これといって目に付く欠点は見つかりませんでしたね。
チップに合わせてカメラ性能やAI処理・画像処理の性能も上がってきているのが魅力的です。特に意識せずに様々なシチュエーションにおいて、破綻のない綺麗な写真を撮ることが出来るのがiPhoneの魅力だと思います。
スマートフォンもほぼほぼ完成された製品になってきているだけに、これからどういう未来が待ち受けているのか、はたまた取って代わるような新しいガジェットが登場してくるのか、気になるところです。
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